民事信託と言うとちょっと難しい感じがしますが、そんなにかわった制度ではありません。
民事信託は家族信託とも言われています。
信託と聞くと信託銀行を思いうかべると思いますが、考え方はかなり近い制度です。
ものすごくおおざっぱに言うと、私の財産の処分をある一定の条件のもとであなたにお任せします、と言うことです。
たとえば、
私が認知症になったら、私の貯金を使って私をグループホームへ入れてください、、、とか
私が持っているアパートの運営をお任せします。家賃で私の介護費用をまかなってください、、、などです。
遺言書との大きな違いは、生きているうちからああして欲しい、こうして欲しいと決めておくことが出来る点です。
遺言書では亡くなったあとの事しか決められませんが、
民事信託では、認知症になったり、脳梗塞等で体が思うようにならなくなった時でも、
あらかじめ決めておいた自分の意思通りの生活を送ることが出来るのです。
障がい者を子に持つお父さんお母さんからも相談を受けることがあります。
ご両親が亡くなられた後、障がいを持ったお子さんが困らないように財産の使い道などをあらかじめ決め、
ご兄弟などにその執行を託すのです。
信託の制度は昨日今日出来たわけではありませんが、認知症などの増加と共に注目される制度になりつつあります。
その背景には、従来用いられたいた成年後見制度に不具合が多いということがあげられます。
成年後見制度の目的は、対象者の方の生命財産を守るという点に主眼が置かれていますので、
持っている財産を積極的に運用、処分して生活資金などをうみだすと言うことはやりません。
なんとも窮屈な生活になりますよね。
民事信託という制度を活かして、将来への不安を少しでも減らしたいものです。
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