相続される保証債務

個人事業主の方や小さな会社のオーナーさんたちは、

資金調達のためにお互いに連帯保証人になったりします。

親が子供の住宅ローンの連帯保証人になると言うケースも昔は良くありました。

(住宅ローンの場合、最近では保証会社を使うようです)

 

この「連帯保証人になる」という行為は、「保証債務」を負うということです。

 

きちんと借入金が返済されているうちは問題無いのですが、

何らかの理由で返済が滞ると、借金取りは「連帯保証人」のところへやってきます。

「連帯保証人」は、債務を、借り入れした人と「連帯」して「保証する」ということですから、

当事者が返済できなくなった場合、連帯保証人が返済をしなければなりません。

 

ここで注意しなければならないことは、この「保証債務」は相続されると言うことです。

 

普通、仕事上のつきあいなどで、誰かの連帯保証人になったとしても、

家族にいちいち説明などはしないと思います。

 

お父さまがある借金の連帯保証人になったまま亡くなったとしましょう。

そして、借金をしていた人が行方をくらましてしまい、返済が滞ったとしましょう。

 

次の瞬間、借金取りはお父さまの相続人のところへやってきます。

お父さまが連帯保証人になっていたことなど知らない相続人にとっては、

寝耳に水ですね。

 

借金取りは、いちいち警告や説明はしてくれません。

相続のあと何年もたってから、借金取りが「お宅のおとうさん、連帯保証人になってたで~」と言ってやってきます。

しかも、その保証債務の金額が10万、20万じゃなくて1,000万、2,000万だったとしたら、、、。

 

考えただけでも、ぞっとします。

 

何かの都合で誰かの「連帯保証人」になってしまっている人は、

とにかく、その事情を家族に共有をしておきましょう。

 

そして、何らかの方法で、たとえは保証会社に連帯保証を切り替えて貰うなどして、

「保証債務」の解消をやっておくべきです。

 

友情や信頼で「保証債務」を引き受けていると、なかなかその解消を言い出せないかもしれません。

ただ、孫子の代まで迷惑をかける事にもなりませんので、注意が必要です。