遺言書 有効無効の分かれ目

遺言書は大きく分けて二つあります。

 

一つは公正証書遺言、公証役場で公証人のもと作成しますので、

内容はともかく、遺言書として書式の間違えにより無効と判断されることはまずありません。

 

もうひとつは、自筆証書遺言

こちらは、厳密に書き方のルール定められていますので、

ちょっとでもそのルールからはみ出すと無効という扱いになります。

せっかくしたためた遺言書が無効と判断されたら悲しいですよね。

 

自筆証書遺言の書き方ルールは大きく二つです。

 

① 遺言の全文、日付を自書する。

② 署名、押印をする。

 

はなはだ簡単なルールに聞こえますが、ちょっとした注意が必要です。

字が下手だからと言って、けっしてパソコンで作成をしてはいけません。

本年1月13日から財産目録についてはエクセルなどの表計算ソフトの利用が認められるようになりましたが、

全文、日付については、すべて自書しなければなりません。

 

日付は、その日を特定できる書き方でなければなりません。

 

2019年敬老の日に書す、2019年私の誕生日に書す、という具合に、敬老の日、私の誕生日といった具合に

日付を特定できる書き方であればOKとされています。

 

もちろん、2019年1月21日というようにその日の日付をズバリ書くことが一番間違えありません。

 

よくある間違えが、2019年1月吉日、という書き方です。

吉日では日付が特定できません。

たった二文字「吉日」のために、遺言書全文が無効となってしまいます。

 

署名についてはもちろん本名がベストですが、本人を特定できるビジネスネームや通称も良しとされています。

押印は三文判でもよく、印鑑がなければ拇印でも良いとされています。

 

本文の中でも気を付けなければならない表現があります。

 

「車は長男に相続させる。」というような表現です。

これでは、どの車を相続させるのか具体的ではありませんよね。

どの車か、具体的に登録ナンバーなどを記載する必要があります。

同様に、「家」や「土地」についてもその所在や家屋番号などを登記情報に基づいて書くことをお勧めします。

 

遺言書の真贋や有効性について、裁判となる事例も少なくありません。

少なくとも、書式についてはミスのないようにしたいものです。