銀行口座の凍結

亡くなられた方の銀行口座は、遺産分割に決着がつくまで凍結されてしまいます。

 

凍結されてしまうと、一切お金を動かすことができなくなります。

口座引き落としになっている公共料金等も引き落としができなくなります。

 

では、誰かが亡くなると口座は自動的に凍結されてしまうのでしょうか?

 

そうではありません。

 

大概の場合、家族が銀行でしゃべってしまうことが多いようです。

 

主人が亡くなったので口座の名義を変えてほしいのですが・・・

妻が亡くなったのですが、生活費を出し入れしていた口座のキャッシュカードの番号を教えてほしい・・・

父の葬儀代を払うのだが、父の口座の印鑑が見当たらない、どうしたらよいか・・・

 

などなど、大意なくしゃべった一言で銀行の人が死亡を知るところとなり、

口座が凍結されてしまうのです。

 

あとは、新聞の死亡広告葬儀場の案内看板などで知ることが多いようです。

 

では、凍結された口座を解除するにはどうすればよいのでしょうか。

 

原則、遺産分割協議を済ませ、遺産分割協議書をまとめるしかありません。

 

遺産分割協議書をまとめるには相続人全員の同意が必要です。

財産の調査を終え、相続人を特定し、分割内容を協議し、などとやっていると

すぐに3~4か月が過ぎ去ります。

 

銀行によっては、手続きに2か月も時間を要した聞いたことがあります。

色々な書類を出すように言われ、しかもそれらをもって平日の昼間に銀行へ行かなければなりません。

そのために有給休暇などを使ってしまうと、かなりもったいないですよね。

 

結局、亡くなってからその口座の凍結が解け遺産分割できるようにまで、

なんだかんだ言って半年近くかかるようです。

 

民法の改正により、遺産分割協議書を待たずに預金の一部払い戻しができるようになります。

相続人一人当たり、法定相続分の1/3までを引き出せるとするようです。

あくまでも仮払いという制度ですが、助かりますね。