家族信託は遺言としての一面もありますが、実は生きている間にこそ、力を発揮します。
歳を取ってくると、何かと物忘れが激しくなったり、
判断能力が低下したりします。
たとえ、認知症を患わなくとも、記憶力、判断能力は低下していくものです。
会社を経営したりしていると、事業承継の問題も出てきます。
子供がいれば子供に跡を継がせるのでしょうが、いつどんなタイミングで経営権を渡すべきか、
自社株の譲渡はどのようにしていったら良いのか、迷うところでもあります。
相続対策を兼ねて自社株を子供に少しずつ贈与していくのも小さな会社なら良いかもしれませんが、
高い贈与税を払うことになる可能性があります。
このような場面では、自社株を信託財産とし、子供を受託者、親を受益者とする
信託を組成するという方法があります。
自社株の所有権が受託者である子供に移ってしまうので、会社の経営権もすべて子供に
握られてしまうのでは、と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
でも、安心して下さい。
株主が持つ議決権行使の方法を指示できる指図権を親元へおいておけば、
実質的な経営権を親がキープすることが出来ます。
ゆくゆくは跡を継がせたいが、まだ少し経験が足りないというようなケースでは役立ちそうな仕組みですね。
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