家族信託の基礎知識4

家族信託は、自由度が高い制度です。

 

家族信託も契約行為の一種ですので、

契約の自由に基づき、原則、委託者と受託者が納得していればどんな内容でも成立します。

 

誰の承認も許可も同意も必要ありません。

 

ただ、これがあとあと問題になることもあります。

 

委託者は被相続人であることが多く、受託者は相続人である場合がほとんどです。

 

家族信託は亡くなられた後のことまで決めておけるので、遺言書の役割も果たします。

 

相続人が何人もいる場合、あるひとりの相続人が他の相続人に断りもなく、

被相続人と家族信託契約を結んでしまったらどうなるでしょうか。

しかも、その内容が受託者に収まった相続人に有利な内容だったとしたら。

 

契約としては成立していますが、

家族信託の枠組みの中に入れてもらえなかった相続人は心中穏やかではありませんよね。

 

このような場合、被相続人が亡くなったあと、信託契約があったとしても

必ず、揉めごとに発展します。

 

家族信託を利用する理由は、円満な財産の承継にあります。

 

家族信託を利用することで揉めごとが起こるようでは本末転倒ですよね。

 

家族信託を利用する際は、家族全員で話し合って決めることをお勧めします。