委託者であるお父さまが受託者である息子に財産を託しました。
さて、委託した財産は誰のものでしょうか。
たとえは賃貸アパート。
委託することにより所有者の名義はお父さまから息子へと移ります。
名義は息子へと移りますが、息子のものになるわけではありません。
名義が移る理由は、賃貸アパートの管理運営を受託者である息子がやることになるからです。
新しい賃貸人を募集する。
賃料を改定する。
修繕をする。
リフォームをする。
これらのことを息子自身が判断し、賃借人や出入りの業者と契約を結んだり、工事を発注したりします。
(もちろん、与えられた権限、範囲の中での話ですが・・・)
このときに、名義がお父さまのままであると困る事があります。
万が一、お父さまが認知症となり判断能力を失ってしまったりすると、お父さま名義の賃貸アパートについて
誰も手を出せなくなってしまいます。
ちょっと昔だったら、父に代わって息子の私が・・・という話だったのでしょうが、
最近は、様々な契約の場面で、特に金融機関がらみでは本人確認が執拗に求めらるようになってきています。
財産を委託されると言うことは、責任をもって管理、運用するということです。
与えられた権限、範囲のなかであれば、受託者が自由に財産を管理、運用できるようにすることが、
財産を信じて託すという信託の趣旨でもあるのです。
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