遺言書はどこまで守るべきか

遺言書は絶対と言われますが、

法的には遺言書通りに遺産分割しないことも可能です。

 

遺言書通りに遺産分割しないことに相続人全員が同意すればOKです。

自筆証書遺言であろうと公正証書遺言であろうと関係ありません。

 

遺言書の中に相続人以外の人が登場する場合は、当然、その人の同意も必要です。

遺言執行者が決められていれば、その執行者の同意も必要です。

 

つまり、その遺言書に登場する人物全員(利害関係人全員)の同意があれば、

遺言書は無視できるということです。

 

しかしながら、利害関係人全員が合意する、ということは基本的にありません。

遺産がすべて現金預金で、電卓ひとつで分割金額を計算できるならともかく、

土地や家屋などの不動産、動産でも自動車や骨董品など、そこそこの金額がするにもかかわらず、

スパッと分割できない財産が多くなればなるほど、その分割協議はもめることになりそうです。

 

分割協議では、かならず昔の話が蒸し返されます。

 

結婚式の費用を出してもらっただろとか、家買う頭金をよういしてもらっただろとか、

そんな話が出てくると、間違えなく話はまとまりません。

 

理論上、遺言書を守らずに遺産分割することはできますが、現実には難しいでしょうね。

遺言書に書かれていることをきちんと守ることをおすすめします。