借地はお得?

現金を土地に替えるだけで相続財産の評価額を20%OFFにできることは、すでにお伝えしたとおりです。

 

その土地を人に貸すと、もっと評価額を下げることができます。

借地」制度を利用すると言うことです。

 

昨日お話しした「路線価」には、価格の他に「借地権割合」というものが書かれています。

たとえば、借地権割合60%とか40%と言うようなことです。

借地権割合60%と言うのは、借地人の権利が60%、地主(底地権者)の権利が40%と言う意味になります。

住宅街でおおむね60%前後、商業地域だと90%なんていうところもあります。

 

この権利割合(借地権割合)によって相続財産の評価額も減額されます。

 

坪100万円で買った土地の路線価が坪80万円だったとしましょう。

借地権割合が60%だとすると地主の権利は40%です。

ですので、80万×40%=32万円がその土地の相続財産としての評価額となります。

 

なんと圧縮率68%です。

 

ただし、借地には問題点もあります。

一度貸してしまうと、なかなか手元に戻ってこないという点です。

 

日本では借地人の権利が強く、一度貸し出した土地はなかなか返してもらえません。

借地人が自主的に「もう返します」と言わない限り、返ってこないと言っても良いでしょう。

平成4年に「定期借地」と言う制度もできましたが、一般定期借地権では存続期間が50年以上、

事業用定期借地権でも10年以上(50年未満)と、いずれにしても相当な期間、

貸し出さなければなりません。

 

相続財産の評価をさげるために「借地」制度を利用する場合は、長期的な視点で検討しなければなりません。