相続預貯金の一部仮払い制度

預金者が死亡すると、その口座は凍結され預金を引き出すことが出来なくなります。

 

銀行に預金者が死亡したことを伝えなければ、銀行は預金者の死亡を知ることが出来ませんので、

現実的にはキャッシュカードでATMからお金を引き出すことは可能なのかもしれません。

 

でも、これってなりすましですよね。

 

銀行も、新聞の死亡欄、葬祭場やお寺などから情報を収集しており、

独自に預金者の死亡情報を入手することもあるようです。

 

とにかく、口座が凍結されてしまうと、遺産分割協議が整うまで預金を動かすことができません。

 

すぐに必要なのは、葬儀の費用ですね。

これだって、200~300万円位は必要になるのではないでしょうか。

 

ご主人が亡くなった場合などは、残された家族が生活費に困るということもあるかもしれません。

 

そんなことを防ぐために、相続預金の一部仮払い制度ができました。

 

相続財産たる預貯金総額の1/3に当該相続人の法定相続分を乗じた額(上限あり)については、

他の相続人の合意がなくとも、単独で預貯金を引き出すことができる、というものです。

 

もちろん、引き出した預貯金は相続財産の一部として、遺産分割や相続税の計算上扱われます。

 

ともかく、一部だけでも預貯金を引き出せるということは、相続人にとって助かることではないでしょうか。