小規模宅地等の評価減の特例 親族の場合

昨日は、特定居住用宅地等を配偶者が相続した場合についてお話ししました。

今日は、配偶者以外の同居親族が相続した場合について説明しましょう。

 

まず、ここで言う親族の定義です。

6等親以内の血族、3等親以内の姻族がこれに当てはまります。

そして、相続の申告期限である10ヶ月後まで保有し住み続けていることが条件となります。

 

ちょっと面倒なのが、同居の定義です。

法令解釈通達上は「亡くなる直前に亡くなった人と同じ家で共に起居していた人」とあります。

なんだか、よくわからないですよね。

 

簡単に言ってしまえば、「一緒に生活していたかどうか」と言うことです。

つまり、住民票だけ実家にあるが、実際には別のところに自宅があるような場合や、

自宅は他にあるものの、介護のために一時的に実家に住み込んでいたような場合は「同居」と見なされないようです。

 

一方、二世帯住宅は良しとされています。

昔は、玄関が同じでなければならないなどややこしいお約束がありましたが、

今ではたいぶ緩和され、完全分離型(玄関、リビング、水回りなどがそれぞれの世帯にある)の二世帯住宅でも

OKとされています。

 

問題なのは、老人ホームに親が入居した場合です。

 

特例の適用を受けるには、亡くなる直前まで同居している必要があります。

同居の期間は特に定められていないので、極端に言えば数日間でも1日だけでも良いとなります。

そして「同居」の定義に戻りますが、「同じ家で共に起居していたか」が問題となります。

 

病院に入院していたようなケースでは、入院は一時的な措置であり、あくまでも自宅が起居の場であると判断されますが、

サービス付高齢者住宅などに入居した場合は、たとえ住民票が実家にあったとしても

実際の生活の場が、自宅からサービス付高齢者住宅などに移ったと判断され、同居とになされないケースが多いようです。

 

介護保険制度や施設の充実で、サービス付高齢者住宅に入居する高齢者の方が増えています。

認知症を発症し、グループホームなどに入居するケースも良く耳にします。

介護度によっては、同居したくても同居できない場合もあります。

 

そのあたりは、同居の判断において柔軟に対応していただきたいものですね。