自筆証書遺言

自筆証書遺言は、自ら手書きで作成する遺言書のことですが、

気を付けなければならないことがいくつかあります。

 

①作成した日付をきちんと書く

〇〇年〇月〇日と書かなければなりません。

年は西暦でも元号でもかまいませんが、月日だけの記載は無効です。

〇〇年〇月吉日という表記も基本的には認められません。

 

②自筆で署名する

署名はフルネームを自筆しなければなりません。

本名を書かなければなりませんが、通称やペンネームでも、

明らかに遺言者をさすとわかる場合は認められるケースもあります。

でも、間違えを避けるため本名を書きましょう。

 

③ワープロ、パソコンでの作文は今のところ無効

どんな用紙に何で書くかは定められていませんが、

消えるインクのペンや鉛筆書きは改ざんされるおそれもありますので

お勧めできません。

誤字脱字にも気を付けましょう。間違えた部分が無効となる可能性もあります。

 

財産目録も自筆が原則ですが、2020年に施行される見通しの民法改正では

財産目録に限り、パソコンで作成したものでも可となるようです。

(目録に署名押印は必要のようです)

 

④押印が必要

拇印でも可とされていますが、印鑑を使いましょう。

印鑑は実印である必要はありません。

認め印でも可とされています。

 

⑤封印する

封筒に入れて封をし、封じ目に遺言書に押した印鑑と同じ印鑑で封印をしましょう。

封印をしていない遺言書も無効ではありませんが、

誰かに見られたり、改ざんされたりする恐れがあります。

 

⑥曖昧な表現は避ける

だれに何をどのくらい相続するのか具体的に書きましょう。

「実家は〇〇と△△とで分けなさい。」というような曖昧な表現は

のちのち争いごとの元になります。

 

⑦付言事項

だれに何をどのくらい相続するかをかくだけではなく、

なぜそのようにするのか、理由も書いておきましょう。

どのような気持ちで遺言書を作成したのか相続人に伝われば

その後のもめ事はグッと少なくなるはずです。

 

せっかくしたためる遺言書が無効になってしまっては残念です。

遺言書の書き方本などもたくさん出ていますので

参考になさってください。