相続は必ず揉める

配偶者や子に個別に老後や相続のことについて話をしてはいけません。

 

亡くなった後、こんなことを言っていた、あんなことを言っていた。

私にはこう言っていた、いやそんなことを言うはずがない、

などとグダグダになっていくことは目に見えています。

 

人間は悪意はなくとも都合よく、記憶を書き換えていくものです。

 

例えば親が認知症になった後、子はそれぞれ、自分が財産管理を任されていたと言い出すかもしれません。

自分が実家を継ぐように言われていた、

住宅購入資金を出してくれると言っていた、などなど、

認知症の親を誰が面倒見るかという話はそっちのけとなることが多いようです。

 

それぞれの家族がそれぞれの生活をどのように支えあっていくのか、

特に老親の生活をどのように守っていくのか、

家族全員が各々当事者意識をもって考えるということが大切です。

 

老親の生活があって、その延長線上に相続があるということを忘れてはいけません。

 

もう一つ大切な点は、家族全員が当事者意識をもって考えるタイミングです。

 

親が認知症を患ってしまったり、寝たきりになってしまってからでは遅いのです。

親が元気なうちに、白黒はっきりさせておく必要があります。

 

親が元気なうちに親が認知症になったら、寝たきりになったらと言う話は切り出しにくいかもしれません。

 

子からではなく、親から話を切り出すべきです。

そうすることで、子も真剣に耳をかたむけるでしょう。

 

相続は揉めると思っておくべきです。

ですから、それを回避するためにできることをやっておくことが本当の相続対策と言えます。