相続と遺贈の違い

相続という言葉と遺贈ということば、混同されているケースがたまにあります。

 

〇〇を息子△△に遺贈する。

□□を友人◇◇に相続させる。

 

亡くなったあと、財産を誰かにあげるという意味では相続も遺贈も同じかもしれません。

しかし、大きな違いがあるのです。

 

相続は、被相続人(財産をあげる人)が亡くなることによって自動的に発生します。

遺言書があろうがなかろうが、法定相続人が被相続人の死亡を知った瞬間に相続は発生します。

相続放棄という手段で相続を免れる方法はありますが、

何もしなければ法定相続人は亡くなった人の財産を相続してしまうのです。

 

一方、遺贈は遺言書でその意思を示さなければなりません。

生前、とても世話になった人に財産の全部もしくは一部を譲りたいという場合、

遺言書として一筆、遺贈する旨したためなければなりません。

 

法定相続人に対しては、相続。

それ以外の人に対しては、遺贈という言葉を使うと覚えておいてかまわないでしょう。

 

先の例では、息子さんはおそらく法定相続人でしょうから遺贈ではなく相続と言います。

一方、友人はおそらく法定相続人ではないと思われますので相続ではなく遺贈という言葉を使います。

 

ややっこしいですね。